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修平の視察報告

東京都青梅市の「昭和レトロのまちづくり」を行政調査

平成30年2月6日(火)

-会派「創生保守」視察-

●青梅市と河内長野市の共通点

青梅市の面積は約103㎡、河内長野市が約109k㎡でほぼ同じです。
また、青梅市においては、市内の中央部に多摩川が流れ、北部では霞川や成木川が流れており、関東山地や武蔵野台地の麓に位置し、山林面積は市域の約6割を占めます。一方、河内長野市においても、石川や西除川、天見川などが流れ、岩湧山と和泉山脈の麓に位置し、山林面積は市域の約7割を占めています。

さらに、両市の歴史を振り返ると、「街道」と「宿場町」というキーワードでつながります。
青梅市内を走る青梅街道沿いにある「青梅宿」は、江戸時代には薪炭などの森林資源や、青梅縞や青梅錦などの繊維産業の集散地として、また御嶽山の御嶽権現(現在の武蔵御嶽神社)への参拝者の宿場町として発展しました。一方、河内長野市内を走る高野街道沿いにある「三日市宿」は、かつては高野山への参拝者の宿場町として栄えるなど、両市には多くの共通点があります。

●「青梅宿」の歩み

一日の通行者数が200人ほどしかないことに危機感を持った地元の住江町商店街が、平成元年から東京都のモデル商店街事業により、歩道と街路灯の整備やオブジェの設置による活性化を図ったことをきっかけに、平成3年には「青梅宿アートフェスティバル」が開催されました。
その後、青梅市在住の久保板観氏(昭和中期の映画看板画家)が看板を製作・提供したことで、昭和をテーマにしたアートフェスティバルへと発展し、平成16年には市内の6つの商店街が共同開催するようになりました。そして、翌年にはJR青梅駅がレトロステーションとして改装されました。

また、平成21年には商店街の代表と市民による「NPO法人ぶらり青梅宿(現在は『NPO法人観光協会ぶらり青梅宿』に名称変更)」が設立され、事業が継承されるようになり、青梅市は「昭和レトロのまち」、「映画看板のまち」としてのイメージが確立され、全国からも注目されるようになりました。

●「昭和レトロ商品博物館」と「青梅赤塚不二夫会館」

昭和をテーマにしたまちづくりが軌道に乗り始めた平成11年には、商店街の空き店舗対策事業として、「昭和レトロ商品博物館」がオープンしました。館内には久保板観氏の映画看板のほかにも、昭和のお菓子やタバコ、文具などが展示されており、まるでタイムスリップしたような感覚になります。
そして、こうした動きに感銘を受けた漫画家の赤塚不二夫氏の協力のもと、平成15年には「青梅赤塚不二夫会館」がオープンしました。館内には同氏の代表作でもある「おそ末くん」や「天才バカボン」、「ひみつのアッコちゃん」などのキャラクターや原画の展示コーナーがあり、グッズなども販売されています。

●まちづくり会社「まちつくり青梅」の設立

平成22年には青梅市が有料レジ袋に「バカボン」のキャラクター「レレレのおじさん」を採用し、翌年には原付バイクのご当地ナンバーに「おそ松くん」のキャラクター「イヤミ」と「ニャロメ」を採用するなど、観光振興だけでなく市民の日常生活にも溶け込む施策を展開しました。
そうした中、民間事業者としてのノウハウを最大限活用し、まちのマネジメントを推進する組織として、平成27に官・民共同出資によるまちづくり会社(※)の「まちつくり青梅」が設立されました。
具体的な事業として、マルシェの定期的な開催や空き店舗の利活用が進められており、市内外からの新規出店への支援が行われています。

人口減少や急速な少子高齢化、中心市街地の空洞化だけでなく、まちの歴史や文化においても、青梅市と河内長野市は共通する地域課題を抱えています。
そして、「新しい」だけが「最新」ではないことを青梅市の取り組みから学び、あえて「昭和のテイスト」を残したまちづくりを通じて、地元の河内長野駅前商店街をはじめ府内の各地域の活性化策を提案したいと考えています。

(※)まちづくり会社

行政や商工会議所、地域の金融機関などが出資のみならず事業にも参画し、立案から運営まで行うまちづくり組織のこと。

▲「昭和レトロ商品博物館」の館内にて

▲「昭和レトロ商品博物館」の館内にて

▲「昭和レトロ商品博物館」の館内にて

▲「昭和レトロ商品博物館」の館内にて

▲「昭和レトロ商品博物館」と「青梅赤塚不二夫会館」

▲「昭和レトロ商品博物館」

▲「青梅赤塚不二夫会館」

▲「青梅赤塚不二夫会館」

▲「青梅赤塚不二夫会館」の館内

▲「青梅赤塚不二夫会館」の館内

▲「青梅赤塚不二夫会館」の館内

▲「青梅赤塚不二夫会館」の館内

▲「青梅赤塚不二夫会館」館内のグッズ販売コーナー

▲「青梅赤塚不二夫会館」のグッズ販売コーナー

▲JR青梅駅の構内

▲JR青梅駅の構内

▲JR青梅駅構内にある待合所

▲JR青梅駅構内にある待合所

▲新たに出店予定のビールバー

▲商店街に新規出店予定のビールバー