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修平の視察報告

科学捜査研究所を視察

令和2年2月21日(金)

-警察常任委員会視察-

●科学捜査研究所とは

いわゆる「科捜研」と呼ばれる施設のことで、警視庁と各都道府県警察本部に設置され、科学技術を活用して物的証拠の鑑定や科学捜査を行っている機関です。
大阪府警察本部においては、平成4年に東警察署(大阪市中央区)の建て替えに伴い、署内に併設されました。在籍職員は70名。


●DNA型鑑定

DNA型鑑定では656京分の1以上の緻密な分析が可能で、微量の血や体液からも個人を識別することができます。
鑑定資料は殺人や性犯罪などの凶悪事件に関するものが多く、複数の事件が同一犯であることが判明したり、検挙した犯人の余罪についても調べることができます。


●文書鑑定とポリグラフ鑑定

紙幣や健康保険証などを偽造する事件が増加していますが、文書鑑定では偽造通貨や筆跡、印字などの鑑定を行っています。
また、俗に言う「嘘発見器」を使用したポリグラフ検査では、呼吸波や皮膚電気反応、脈波などの生理的反応を測定し、いくつもの質問が繰り返されます。
なお、映画でよく見るような「いいえ」だけで鑑定するものではなく、「知らない」と否定しても、犯人であれば犯罪を行なった時の様子を思い出して、特別な反応が現れるそうです。この検査は毎日多頻度で活用されているとのこと。


●物理鑑定(火災、交通、銃器、音声、画像鑑定)

近年の犯罪の多様化や広域化に対応するため、火災や交通、銃器、音声、画像などの物理鑑定が行われています。
放火などに対応する火災鑑定では、出火原因の調査をはじめ被疑者の供述に基づく再現実験などが行われています。
また、画像鑑定では犯罪捜査を立件するうえで、極めて重要な物的証拠となるため、防犯カメラ映像による画像鑑定が急増しています。中でも、識別器材の高度化に伴い、車両ナンバーや顔画像の識別の精度が向上しているとのこと。


●薬毒物鑑定と麻薬・覚醒剤鑑定

VXガスなどの有毒ガスや筋弛緩薬などの医薬品を使った凶悪犯罪事件は記憶に新しいところです。薬毒物鑑定では化学薬品が付着した被害者の毛髪や尿、血液などの分析や現場遺留物の鑑定が行われています。
さらに、麻薬・覚醒剤をはじめ薬物の乱用が大きな社会問題となっいますが、鑑定される薬物の種類は多岐にわたり、研究所内の鑑定作業の多数を占めています。
中でも「ディープ・レイプ・ドラック」による性犯罪に対応するため、2年以上前の犯罪を被害者の髪から成分を検出することができるそうです。鑑定方法の開発・研究は日進月歩でもあり、設備や機器の進化にも適宜対応する必要があります。


※なお、施設内の写真をUPすることができないことをご理解ください。

 

▲科学捜査研究所にて

▲科学捜査研究所にて