定例府議会報告
令和4年2月定例府議会(本会議)
令4年2月定例府議会(2月24日~3月24日)は、新型コロナウイルス感染症対策費や大阪府営業時間短縮等協力金支給事業費などを盛り込んだ約3兆7,798億円(特別会計は約2兆9,087億円、総額約6兆6,885億円)の「令和4年度一般会計当初予算案」や、総額698億円の「令和3年度補正予算案」など知事提出議案118件、報告案件16件、議員提出議案4件の計138件を審議しました。
さらに、府の公益に関する課題について国に要望するため、「インターネット上の人権侵害を解消するための社会環境整備を求める意見書」など6件の意見書と、「ロシアによるウクライナへの侵略を強く非難する決議」を全会一致で採択しました。
今年度の一般会計予算案は、前年度比7.7%増となり、過去最大規模となりました。
新型コロナウイルス対策費は病床確保や宿泊療養施設への看護師の配置など約3,398億円が計上され、前年度より倍増しています。
また、「2025年 大阪・関西万博」が健康と医療がテーマとなることを踏まえ、再生医療の産業化と情報発信のための費用や、西野修平が求めてきたいわゆる「脱炭素ポイント」制度の調査費をはじめ「脱炭素化」に向けた関連費などが計上されました。
議員提出議案ではインターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害を防止するための施策を推進し、インターネットによる被害から全ての府民を保護するとともに、次世代に豊かな社会を継承するため、「インターネット上の誹謗中傷や差別等の人権侵害のない社会づくり条例案」を自民、維新、公明から共同提案し、可決しました。
また、今議会では大阪府と大阪市が誘致をめざすカジノを含むIR(統合型リゾート)の整備計画案を賛成多数で可決しました。
整備計画では米国MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスが中心の企業連合が事業者として運営することになります。初期投資額は1兆800億円にも上り、2029年の開業を予定しており、年間の来場者数は2千万人、売上げは5,200億円を見込んでいます。無論、あくまでも想定ではあるものの、誘致におけるメリットとデメリットを天秤にかけて、メリットの方が大きいと判断し、自民党府議団は整備計画案に賛成しました。
-新型コロナウイルス感染症への主な緊急対策(2月定例府議会)-
●無症状者への無料検査場の整備
日常生活や経済社会活動における感染リスクの引き下げと、感染者の早期発見を目的に、無症状者を対象に無料で検査を実施する事業者に対し補助。
●診療型宿泊療養体制の確保
宿泊療養施設において、療養者の症状悪化などに対応するため、必要な体制を整備。
●入院患者の待機ステーションを整備
感染者の受け入れ病床の逼迫時に、患者に酸素投与しながら病院への移送決定まで一時待機させ、救急車の現場での長時間滞在を防ぎ、一般救急への影響を抑える施設の運営を補助。
-令和4年度の主な新施策-
●スマートスクールの推進
1人1代端末の安定的運用の実現と大阪の子どもたちの学びを保障するため、運営支援センターを開設し、円滑な学校教育活動を支援。
●ヤングケアラーへの支援体制の強化
府立高校に在籍するヤングケアラーを適切な支援につなげるため、スクールソーシャルワーカーやスクールソーシャルワーカー・スーパーバイザーなどの配置により、学校における早期発見ための相談体制を強化。
●農業への企業の参入支援
企業参入・定着アドバイザーを配置し、企業の農業参入から参入後の経営安定まで一貫した支援を実施。
●SNSを活用した相談窓口の設置により児童虐待対策を強化
SNSを活用した相談窓口を開設するとともに、社会的養護における子ども権利擁護に係る実証モデル事業を実施。
●介護職員の処遇改善を支援
障がい福祉職員などの収入の引き上げを行う障がい福祉事業所に対し、補助を実施。
●看護師の処遇改善を支援
新型コロナウイルスへの対応など、最前線で働く看護師の収入を引き上げる病院に対し、補助を実施。
●再生医療の推進
再生医療に関する社会の理解促進と市場の拡大を図り、再生医療の産業化を推進するため、大阪・関西万博を契機に、再生医療のポテンシャルを広く発信するための包括的な計画を策定。
●中小企業の新事業展開を支援
中小企業が実施しる新事業展開について、計画策定から実行段階に生じる課題解決に向け、専門家による搬送支援を実施し、経営革新や付加価値の向上を図る。
●「ディープテック」の成長支援
革新的技術を持つ研究開発型スタートアップ「ディープテック」の成長を支援するため、民間ファンドの組成促進に向けた取り組みを推進し、資金調達面での課題解決をめざす。
●カーボンニュートラル技術の開発を促進
カーボンニュートラルに資する最先端技術を「2025年 大阪・関西万博」において披露し、万博後の次世代グリーンビジネスとしての展開と拡大をめざし、試作設計や開発・実証を行う事業者に対し、経費の一部を補助。
●マンション管理の適正化に向けた取り組みを強化
管理組合への情報提供など、分譲マンションの管理適正化に向けた普及啓発・促進を実施するとともに、高経年の分譲マンションの再生円滑化に向けた環境整備を実施。
●大阪広域データ連携基盤の整備によるスマート・インフラの構築
スマートシティの実現に不可欠なインフラとして、官・民の様々なデータの流通・連携を促進し、府民の利便性向上につながるサービスの創出を図るため、「大阪広域データ連携基盤(ORDEN)」を整備。
-意見書-
1)インターネット上の人権侵害を解消するための社会環境整備を求める意見書
2)在日米軍における新型コロナウイルス感染症対策の強化を求める意見書
3)社会福祉施設における感染症対策の充実に関する意見書
4)精神保健医療福祉の改善を求める意見書
5)緊急事態に対応できる国づくりに向けた建設的な議論を求める意見書
6)地方創生と感染症対策に資するデジタル化の推進を求める意見書
7)介護職員の処遇改善に関する手続きの簡素化と対象職種の拡大を求める意見書
-決議-
1)ロシアによるウクライナへの侵略を強く非難する決議